若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
翌日

国王陛下とお妃様に拝謁するとあって、朝からマリーは用意された高価なドレスに身を包み、身なりも整えられた。もともと美しいマリーだが、一段と美しさに磨きがかかった。

マリーが長い廊下を進む度、両端に並んで立っている衛兵たちの視線までも、マリーに釘付けになった。


突き当たりまで来ると大きな扉があり、トーマス王子とマリーを確認すると、大きく重い扉がギギギーと音を立て開けられた。

奥の玉座には、ベリーナ王国の国王陛下とお妃様が並んで座っていた。

「ウッドベリー王国の、トーマス三世殿下とマリー様~」


と、呼ばれると、トーマス王子はマリーの手を取り、玉座に向かって伸びている長い絨毯の上を、並んで一緒にゆっくりと歩き出した。

玉座の前まで来ると、マリーは、跪こうとドレスの両端を持ち、身をかがめかけた。すると、

「そのままで!顔をよく見せて!」

と、お妃様が、玉座を駆け下り、マリーの側に駆け寄った。

そして、マリーの顔を見つめると、お妃様の目から涙が溢れ出した。お妃様は溢れる涙をそのままに、マリーをぎゅっと抱きしめた。


マリーは何がなんだか分からなかったが、抱きしめられた感触と、お妃様の匂いに、懐かしさが込み上げた。そして、マリーもお妃様の背中に腕を回しそっと抱きしめ返した。

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