若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした

「それは・・・他の二人は明らかに私を見下していたけれど、トムさんだけは違ったわ。私みたいな小娘にも丁寧な言葉で話してくれたし、伯爵も村長も金貨5枚はすぐに用意出来ると思うの。でも、トムさんはあの年で私のために金貨5枚を差し出した。きっと今まで一所懸命働いて貯めたものだと思うの。」

「その心意気にほだされたってことね。マリーらしいわ。」

そうこう話しているうちに部屋に着いた。本当に荷物は少なく、服と下着類が3枚ずつくらいで、すぐに支度が出来た。

「本当に荷物少ないわね。もらった服はどうしたの?」

「孤児院の子供たち用に縫い直したの。」

「勿体ないことして。」

「私は3着もあれば十分よ。」

ふふふと二人は顔を見合わせて笑った。

そしてどちらからともなく抱き合った。

「時々手伝いに来ます。」

「うん。待ってるわ。」

2人とも孤児で、この教会で姉妹のように暮らしてきた。2人の目には、今にも涙が零れ落ちそうなほど溢れていた。2人の脳裏には幼い頃から一緒に過ごして来た時間が、走馬灯のように駆け巡っていた。
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