若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
その日から、王妃は、マリーにべったりだった。

「マリーという名は誰が付けたのかしら?」

「私を拾ってくれた教会の神父さまです。」

「素晴らしい偶然だわ!国王がマリアンヌと名付けたけれども、私はマリーと呼ぼうと思っていたのよ!その教会の神父さまにもお礼をしなければいけないわね。」

朝食昼食、アフタヌーンティー、夕食の時間もマリーと、王妃は、共に過ごし、マリーの生い立ちや、今までどういう風に生活をしてきたのか、トーマス王子との出会いなど、事細かに聞いてきた。

マリーも、嫌な顔1つせず、全て真摯に答えた。マリーも自分に興味を持ってもらえたことが嬉しかった。2人は離れていた時間を埋めるかのように、一日中話し込んだりする日もあった。

王妃は、隙あらばマリーを甘やかそうとし、大量のドレスや宝石を用意したり、アフタヌーンティーでも、特別なスイーツや珍しいフルーツを用意したりした。そして、3ヶ月後の帰還祝いと婚約式のドレス選びにも、王妃は余念がなく、自分のことのように、準備を進めていった。

マリーは最初はとても恐縮していたが、嬉しそうに準備を進める王妃の姿に逆に嬉しくなったりもした。

城中の者が、王妃の溺愛ぶりに戸惑う中、失ったはずの娘に再び会えた喜びがどんなに嬉しいことか理解出来る国王陛下だけは、

「王妃の好きにさせておいてくれ。」

と、優しく見守った。

そして、週に1度会いに来たトーマス王子も、王妃の溺愛ぶりには、驚きを隠せなかった。はるばるマリーに会いに来ても二人きりになる時間は持てなかった。しかし、トーマス王子は、それでもなお毎週マリーに会いに来た。
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