若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした

行方不明だった姫がベリーナ王国に戻ったという知らせは、マリアンヌ姫の帰還祝賀会と婚約式の招待状と共に、近隣諸国に知れ渡った。

そしてその招待状を険しい顔で握り潰す女性がいた。その女性こそ、魔女にトーマス王子を老人に変える呪いをかけさせた張本人だった。

「トーマス…ずっとずっと私に泣きついてくる日を待っていたのに。まさか呪いが解けていたなんて!!ウィニー!ウィニー!」

と、魔女の名を叫んだ。すると、誰もいなかった部屋の角に、魔女のウィニーが現れた。

「ビーナ様、お呼びでしょうか。」

と、魔女ウィニーが言うと、

「ウィニー!もう一度トーマス王子に、呪いをかけなさい!」

と強い口調でビーナが言った。

「ビーナ様、申し訳ありませんが、1度呪いをかけた相手には、再び呪いはかけられません。」

と言った。

「何ですって!?じゃあ仕方がないわ。相手の女に呪いをかけなさい!」

「かしこまりました。どんな呪いに致しましょう?」

「そうねぇ。同じ呪いがいいわ。その女を老婆の姿に変えておしまい!さすがに百年の恋も一瞬で冷めるはずだわ。そしてトーマス王子は今度こそ私の物よ!オホホホホッ!」

と、そう言って高笑いをした。

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