若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
「しまった!」

マリーは飛び起きた。

「大丈夫ですよ。」

と、マリーのすぐ横で声がした。見ると寝台で読書をしていたトーマス王子が微笑んでいた。

「ごめんなさい!私いつの間にか寝てしまって…。起こしてくだされば良かったのに。」

と、マリーが謝った。するとトーマス王子が、

「あまりのかわいい寝顔に起こすのがかわいそうになってね。でも、このまま本当に起きなかったら、どうしようかと思ってたんですよ。」

といって、トーマス王子は持っていた本をパタンと閉じると、サイドテーブルの上に置いた。

そして、あっという間に、マリーを押し倒し、その上に覆い被さった。マリーの心音が跳ねあがる。

「あ、あの…ちょっと待ってください。」

と、マリーはドキドキしながら両手で、トーマス王子を押し返した。

「どれだけ待ったと思ってるんですか?」

「え?!」

いつもは優しく何でも受け止めてくれるトーマス王子が、マリーの申し出を断ったことにマリーは驚きを隠せなかった。
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