しづき




あぁ、無理だ。

連れ戻すなんてできないや。




「……っ」




涙でぼやける視界。

必死に拭って、今映る光景を焼き付ける。





汐月がまっすぐ前を向いて歩いていた。





ひとり、これからの茨の道を

力強く踏みしめていた。



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