俺様ヤンキーは溺愛王子

その優しさはずるい

部屋から出ると誰かに呼び止められた。
「龍基出かけるのか?」
「おう、その間留守番頼むわ。兄貴。」
龍基の話し方からその人がお兄さんだと言うことを理解。
身長が高くてどことなく龍基に似ていて、俳優さんみたいな人。

お兄さんはニコニコ笑って返す。
「任せて!楽しんでおいで。」
そして、私に目線を合わせてくれた。
「龍基のこと、よろしくね。」
また王子様のようなスマイル。
(優しくてかっこいい人だな。)
いい印象しかない。
「もういいって!兄貴。」
龍基は怒って(というか照れてる?)手を強くひき、さっさと外に出た。
そしてゆっくりと二人で歩き出す。

「ごめんな。びっくりさせただろ。」
また私を気にしてくれる龍基。
(やっぱり優しいのかな?)
「いや、全然大丈夫なんですけど。カッコいい人だな〜と思っただけです。」
「俺と違って、だろ。」
龍基はかぶせるようにして言う。
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