【コミカライズ】Rain or Shine〜義弟だから諦めたのに、どうしたってあなたを愛してしまう〜
結婚をすると報告が来たのが一年前、だがそれ以降音沙汰が全くなかった。独身の時以上に連絡が途絶えてしまったのだ。
そのことを心配した母親が、
「瑞穂、何かあったんじゃないかしら……」
と言い出した。
ちょうどテレビで夫が妻を刺し殺したというニュースが流れていたからかもしれない。たまたま仕事で名古屋に行くことになった俺が様子を見に行くことになったわけだ。
もう十年か……あの頃みたいにふんわりとした笑顔で俺に笑いかけてくれるだろうか。あの甘ったるい声で名前を呼んでくれるだろうか。そんな期待をしつつ、インターホンの呼び鈴を押した。
しかし恵介の眼の前に現れたのは、驚くほど痩せ細り、生気のない瞳、何かに怯えるように震える体を守るかのように縮こまる瑞穂だった。
わざと居留守を使おうとし、この暑さの中で、家の中でまで長袖を着ていた。その姿を見て、恵介はすぐに察する。
まさか瑞穂がDVの被害に遭っていただなんて思いもしなかった。母さんには虫の知らせのようなものが届いたということは、やはり実の親子だからこそなんだろうな。
たまたまDV案件を担当したことがあり、恵介の頭の中にはDVに関する知識があった。それらの特徴のいずれもが、瑞穂がDV被害者であることを物語っていたのだ。