【コミカライズ】Rain or Shine〜義弟だから諦めたのに、どうしたってあなたを愛してしまう〜
* * * *

 昼間に少し寝てしまったからだろうか。なかなか寝付けなかった。崇文にバレたらと思うと怖くて仕方ない。でも隣に恵介がいることで安心感もあった。

 瑞穂はそっと起き上がると、隣のベッドに目を向ける。恵介はこちらに背を向け、肩をゆっくりと上下させている。きっとぐっすり眠っているに違いない。

 瑞穂はベッドから降りると、はだけてしまった浴衣の前を合わせ、恵介のベッドに近付く。彼の頭を撫で、背中に頬を寄せた。

 小さい頃からそばで嗅いできた香り。いつの間にか大人の男の人の匂いになり、幾度となく私の心を揺さぶった。欲しくて欲しくて、でも手に入らない。今でも私はあなたを心の底から欲してるのがわかるの。

「恵介……起きてる……?」

 確認のために声をかけるが、恵介は微動だにしない。大丈夫。恵介は寝てる。この想いを今吐き出したって、誰も聞いてない。

 瑞穂は恵介の肩に額を押し付け、心に被せた蓋を、喉元に締めた栓を開け放つ。

「恵介がずっと好きだった……欲しくてたまらなかった……叶わないのがわかっていたから逃げ出したの……今でもあなたを愛してる……」

 あぁ、やっと言えた……胸の(つか)えが取れたように、力が抜けていくのがわかった。これでスッキリした、もう二度と恵介への想いは口にはしない。

 名残惜しそうに恵介から離れようとしたその時だった。恵介が勢い良く起き上がり、瑞穂の腕を掴むと、そのまま彼女の体を自身のベッドの中へと引きずり込む。
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