Rain or Shine〜義弟だから諦めたのに、どうしたってあなたを愛してしまう〜
* * * *

 シャワーを浴びてからタオルを巻いて外へと出た瑞穂は、クローゼットの扉を開けて、昨日恵介が用意してくれた服を眺める。

 首元がきちんとしまったブラウス類が多く、足元はパンツやスカート、レギンスまで準備されていた。羽織のカーディガンはしっかりとした素材のもので、体が透けない安心感があった。

 恵介、いろいろ考えて買ってきてくれたんだろうな……彼の気遣いは昔から変わらない。

 瑞穂は黒色のブラウスと、グリーンのカーディガン、ゆったりとしたデニムパンツを合わせると、歩きやすいように足元は履き慣れたスニーカーにした。

 どこかに出かけるなんて久しぶりだから、ちょっとドキドキする。

 その時、瑞穂と入れ替わりで浴室に入った恵介が出てきた。瑞穂の姿を見て、どこか嬉しそうに頬を緩める。

「うん、やっぱり似合うな」

 恵介に言われ、瑞穂も恥ずかしくなる。誰かに褒めてもらえるなんていつ以来だろう。こんなに嬉しいことだったっけ……。

 着替えを終えた恵介が、ドアの方から手招きをする。慌ててカバンを持って駆け寄ると、壁に押しつけられてキスをされた。
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