Rain or Shine〜義弟だから諦めたのに、どうしたってあなたを愛してしまう〜

 唇が離れると、額同士をくっつけてクスッと笑う。

「これから外に出たら、俺たちは仲良しの姉弟。誰が見てるかわからないからね」
「うん、わかった」
「だけどまたこの部屋に戻ったら……わかる?」
「……また……する?」
「うん、たくさん甘えさせてあげる」

 甘えるってどうやるんだっけ……そう考えていたら恵介に再びキスをされた。唇が離れてしまうのが残念だった。

「……出かけるのも楽しみなのに、このまま部屋にいても良いかなって思っちゃう……」
「まぁね。でもせっかくだしさ、案内してよ」

 そう言われ、瑞穂は小さく笑うと頷いた。

「よし、じゃあ行こうか」
「うん……」

 これは不倫。私は夫を裏切った。夫より愛する恵介のものになった。それなのに後悔していない自分が怖くなる。

 恵介のそばにいたい。離れたくない。この気持ちはどうすることも出来ないの。

 二人は少しだけ距離を取ると、ホテルの部屋を後にした。
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