エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
瀬奈には一哉と話し合いをすると言ってあるから、心配してくれていたようだ。

「揉めてはいないんだけど、予想外の展開になってね」

澄夏は席に座り、近くのスタッフにアイスレモンティーをオーダーした。

「今日はコーヒーじゃないの?」
「うん。さっき二杯飲んだから」
「そういうこと。食事は?」
「済ませてきた。瀬奈はまだなら頼んで」
「朝が遅かったから、いいや」

澄夏のアイスレモンティーが届くと、瀬奈が視線で話を促した。

「それで須和さんはなんて?」
「離婚するって言ったら、拒否された」

瀬奈は意外そうに目を丸くする。

「同僚の女性との浮気は澄夏の勘違いだったの?」
「それはまだはっきりしないの。詳しい話は家でしようってなって」
「ああ、まあ外だと周りが気になるものね」
「うん。来週一度向こうの家に帰るんだけど、まさかこんな展開になるとは思っていなかったから戸惑ってる」

彼が好意を口にしてくれても完全に信じ切れないのは、これまでのふたりの関係によるものが大きい。

(今まで一哉さんが私を好きだって様子はなかったし)
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