エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
結局偶然は訪れないまま季節は流れ、春。

彼は高校を卒業して地元を出て行った。

噂では国内最難関の国立大学に合格したらしい。いずれはオリンピック出場などと期待されていた陸上はやめたそうだ。

(あのとき言っていた“やりたいこと”って、国立大学合格だったのかな)

そんな風に思ったけれど、実際のところを知ることは出来ない。

彼と話す機会はもう二度とないだろうから。

澄夏の初恋はそんな風にあっさり終わった。

だけどそれから約十年後に、一哉と思いがけない再会をした。

澄夏の父岩倉通成が決めた縁談相手が、憧れの彼、須和一哉だったのだ――。

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