エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
父は怪訝そうにする。

「漠然と心配いらないって言うんじゃなくて、もっと詳しい話をした方がいいんじゃないかと思う」

「どういう意味だ」

「例えばお父さんが今どんな考えを持って、この先どんな仕事をしようとしているとか。あとお父さんの悩みを相談するのもいいかもしれない」

「お前はなにを言ってるんだ。病気の母さんに悩み相談をしてどうする」

呆れたような父に、澄夏は首を横に振ってみせた。

「お母さんは、お父さんにもっと頼って貰いたがってるんだと思うよ。そう言ってなかった?」

「なにを考えているのか分からないとは言われたが……」

「だったらもっと会話をした方がいいと思う。会話がなかったら夫婦でもお互いの考えが分からなくて、誤解が生まれて駄目になるかもしれない」

それは澄夏にとってもよく覚えのある話だ。心が弱っているときはどんどん悪い方に考えがちだ。それが間違った方向でも気付かないし止まれない。
止めてくれる人が必要なのだ。

「駄目になるってなにを言ってるんだ。まさか母さんが離婚したがっていると言うのか?」

「今はそこまで考えてなくても、この先あり得るんじゃない」
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