エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
「下らないことを言うな! だいたい娘といえど夫婦のことに口出しはするな」

澄夏の発言が気に障ったのか、父は顔を赤くして早口にまくし立てる。

以前から短気では有ったものの、ここまでむきになるのは父自身が心の片隅ででもその心配をしているからだろう。

澄夏は困って口を閉ざした。頑固な父がこうなってはなにを言っても話が通じない。

(こういうところをパワハラって誤解されたって言うのに)

痛い目に遭い弱ってしまっている今、少しは変わったのではないかと思っていたが、そうでもなかったようだ。

「そういえば、お前も離婚したいとか言っていたな」

澄夏はがっかりと肩を落とす。話が違うところに飛んでしまった。

「それは無くなりました。心配かけてごめんなさい」

「当たり前だ。一哉君のような出来た夫はそうそういないんだから、お前は余計なことを考えず尽くしなさい」

「素晴らしい旦那様なのはその通りなんだけど、今の発言を他の人にするのはやめてね。また問題になるだろうから」

全く今の時代に見合っていない。完全に間違いとは思わないけれど、不快に思う人がいるのは確か。
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