エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
(長く政治家をしてるのに、ときどきとんでもない失言をするんだよね)

これじゃあトラブルが耐えないのではないかと心配になる。次の選挙で再選を狙うとしても、足を引っ張りそうだ。

(それとももうそんな気力はないのかな)

父はこのまま引きこもり、立ち直ることが出来ないのだろうか。

「お父さん」
「なんだ。また余計なことを言う気か?」
「……周りからあれこれ言われたら煩わしいと思うかもしれないけど、みんな心配して言ってるんだよ」
「分かってる」

父は不機嫌に答え腕を組んだ。

「なにも言わないままだったらみんなも助けの手を差し伸べられない」
「分かってると言ってるだろう? 先のことは考えてるからお前は気にしなくていい」

声には多分に苛立ちが含まれている。これ以上しつこく言うのは無理だと、澄夏は口を閉ざした。

「お母さんが心配だから、病院に行ってくるね」
「今からか?」
「面会終了までまだ時間があるから」

澄夏はソファから立ち上がり、玄関に向かった。父はなにか言いたそうにしていたけれど、結局声をかけてこなかった。

(本当に頑固なんだから)

自分の父親とは言え、呆れてしまう。

(しかも偉そうだし)
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