エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
それに付き合ったのだから、一哉はかなり大変だったことだろう。

見たところ彼が酷く酔っぱらっている様子はないけれど。

澄夏は一哉をソファに座るよう促し、用意しておいたミネラルウォーターのペットボトルを差し出した。

「ありがとう」

一哉はペットボトルのキャップを開けながら、物珍しそうに室内を見回した。

澄夏の部屋は、個室にしては広めの十畳。すっきりしたインテリアが好みの為余計なものは一切置いていない。

「どうしたの?」

なにが気になったのだろうと思い問うと、一哉は「いや」と首を横に振った。

「澄夏は結婚するまでここで過ごしていたんだなと思って」

「そういえば、入るのは初めてだったよね。それに私も一哉さんの実家の部屋に行ったこと無いんだよね」

「今度招待すると言いたいところだけど、俺の部屋は既に無いんだよな」

「え、どうして? 帰省したときはどうしてるの?」

「俺が使ってた部屋は、母の荷物置き場になってる。帰ったときは客間で寝てるよ」

「そ、そうなんだ……」

義母は一哉の帰省を望んでいると思っていたけれど、反面ドライなところもあるのが意外だった。
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