エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
そうしたら出世にも影が差すはず。一哉は地方再生に尽力する為に、今の仕事に就き順調にキャリアを積んできたというのに。

自分の希望を通すには出世は必要不可欠と以前彼が行っていた。実際そうなのだろう。

「またいつこちらに関わってくるか分からない。プライベートの揉め事だからと声を出さなかったら、なあなあになって同じことの繰り返しになる」

「でも……」

「いくら警告しても一年中見張っている訳にはいかないだろ? また澄夏のところに来たらどうする? 俺は心配で仕事が手につかなくなる」

そう言う一哉の顔には苦悩が現れている。彼も悩んだ末の結論なのだ。

「分かった。一哉さんがそこまで言うなら。結果がどうなっても私はついていくから」

澄夏がそう言うと、一哉が少し驚いたような顔をした

それから笑顔になると、ぐっと澄夏のか体を抱きしめた。

「ありがとう」

澄夏も彼の逞しい体を抱きしめる。

「ごめんな、心配ばかりかけて。余計な苦労も」

「苦労なんて……一哉さんがはっきりとけじめをつけようとするのは私の為でもあるでしょう? その気持ちが嬉しいよ」
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