エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
父は議員を辞めた今でも、頼られる立場でいたいと思っているように見える。
だから詳細を連絡していなかったのだけれど。
《本当に澄夏さんが一哉と結婚してくれてよかったと思っているのよ。それまであの子、結婚なんてどうでもいいって感じで全然興味が無さそうだったから》
義母の少し早口な声が聞こえてきたが、澄夏は内心首を傾げた。
(私たちの結婚は特に遅くないと思うけど)
見合いをしたのは一哉が二十八歳の頃だし、その後すぐに入籍したので、むしろ同僚の中では結婚が早い方だ。
二十五歳で結婚した澄夏も、卒業後も親しくしている友人の中では二番目の早さだった。
《学生時代は陸上にのめり込んで、社会に出たら仕事一色でしょ? あの子はちょっとストイックすぎるところがあるのよね》
エリートキャリア官僚で、日々精力的に仕事をこなしている彼が、義母にかかっては〝あの子〟扱いだ。
「ストイックなのは長所だと思いますよ。私は一哉さんのそんな姿勢を尊敬しています」