エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
澄夏はそんな話聞いていない。
「あの、それはいつ頃でしょうか?」
《四カ月くらい前だったかしら。もしかして聞いていない?》
義母の声音が変化した。澄夏は慌てて誤魔化しの言葉を口にする。
「い、いえ……すみません、その頃は実家の問題でいろいろパニックになってしまっていましたし、聞いたのに忘れてしまったのかもしれません」
《あ、そうよね。きっと一哉はそんな澄夏ちゃんを心配して御守りを買いに行ったのね》
岩倉神社は浄化・開運・厄除けにご利益があると言われていて訪れた人のほとんどが御守りを買うのは有名だ。澄夏にとっては、一哉と初めて会話をした思い出の場所でもある。
(でも私は御守りを貰っていない)
自分用に買ったのだろうか。いやでも、彼が持っているのを見かけた記憶がない。
夫の持ち物を思い浮かべていると《ところで》と彼女の声の調子が変ったことに気が付いた。
「あのね」
義母にしては珍しく歯切れが悪い。
「はい、どうかしましたか?」
《お父様の今後について、須和に少しでいいから報告して欲しいの。出来れば岩倉さんと直接話したいみたいなんだけどね》
「あの、それはいつ頃でしょうか?」
《四カ月くらい前だったかしら。もしかして聞いていない?》
義母の声音が変化した。澄夏は慌てて誤魔化しの言葉を口にする。
「い、いえ……すみません、その頃は実家の問題でいろいろパニックになってしまっていましたし、聞いたのに忘れてしまったのかもしれません」
《あ、そうよね。きっと一哉はそんな澄夏ちゃんを心配して御守りを買いに行ったのね》
岩倉神社は浄化・開運・厄除けにご利益があると言われていて訪れた人のほとんどが御守りを買うのは有名だ。澄夏にとっては、一哉と初めて会話をした思い出の場所でもある。
(でも私は御守りを貰っていない)
自分用に買ったのだろうか。いやでも、彼が持っているのを見かけた記憶がない。
夫の持ち物を思い浮かべていると《ところで》と彼女の声の調子が変ったことに気が付いた。
「あのね」
義母にしては珍しく歯切れが悪い。
「はい、どうかしましたか?」
《お父様の今後について、須和に少しでいいから報告して欲しいの。出来れば岩倉さんと直接話したいみたいなんだけどね》