エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
真咲は謝罪の言葉を口にしたものの、とても本心から謝っているようには見えなかった。

それはそうだ。ここで悪いと感じるような人なら初めから余計な発言はしないはず。

(まるで宣戦布告されたみたい)

彼女の口ぶりから、一哉とはかなり親密な関係なのだろう。

(男女の関係なのかもしれない)

はっきり言わないのは自分が不利になると分かっているからか。

けれど、澄香に身を引いて欲しいのだと意思表示されたようなものだ。

ドクンドクンと心臓が音を立てる。

(いやだ……)

一哉を渡したくない。夫婦の関係を壊さないでと思うが、言葉が出て来ない。



「悪い、待たせた」

冷ややかな沈黙が訪れるリビングのドアが開いた。同時に低くクールな声が耳に届く。

澄夏が振り返り目が会うと、ドアの近くで佇んでいた一哉が怪訝な表情になった。

「どうかしたのか?」

彼は澄夏の側まで来て、様子をうかがうように見下ろす。

「顔色がよくないな」
「大丈夫」

ちっとも平気ではないし真咲の話が本当なのか確認をしたいが、本人がいる前では話したくない。

「須和さん、そろそろ出ないとまずいです」
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