エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
一哉は澄夏を見つめていたが、割り込んで来た真咲の声に「分かった」と答えた。
「疲れているんだろうな。あまり無理はするなよ」
「ええ、行ってらっしゃい」
部屋を出て行くふたりを眺めていた澄夏は、真咲のバッグに目を向けた瞬間、思わず声を上げそうになった。
なんとか抑えたけれど、驚愕したときのように心臓がドクドクと音を立てている。
(あの御守りは……)
真咲の黒いビジネスバッグには小さな赤い御守りが付いていた。
どこから見ても洗練されたキャリアウーマンの彼女のバッグに御守りというのがあまりにミスマッチで目に留まった。
信仰心が有ったとしても普通は見えない所に仕舞っておくのではなかと。そんな風に気になって見ていたせいで気付いてしまった。あれは岩倉神社の御守りだと。
同時に義母から聞いた話を思い出した。
(お義母さまが言っていた一哉さんが買った御守りは彼女の為のものだったの? それとも一緒に行った?)
頭の中は疑問でいっぱいだ。今すぐ一哉を呼び止めて問い質したくなる。
しかし仕事の邪魔は出来ない。澄夏はこみ上げる衝動を堪えて、真咲と連れ立って出て行く一哉を苦しい気持ちで見送った。
「疲れているんだろうな。あまり無理はするなよ」
「ええ、行ってらっしゃい」
部屋を出て行くふたりを眺めていた澄夏は、真咲のバッグに目を向けた瞬間、思わず声を上げそうになった。
なんとか抑えたけれど、驚愕したときのように心臓がドクドクと音を立てている。
(あの御守りは……)
真咲の黒いビジネスバッグには小さな赤い御守りが付いていた。
どこから見ても洗練されたキャリアウーマンの彼女のバッグに御守りというのがあまりにミスマッチで目に留まった。
信仰心が有ったとしても普通は見えない所に仕舞っておくのではなかと。そんな風に気になって見ていたせいで気付いてしまった。あれは岩倉神社の御守りだと。
同時に義母から聞いた話を思い出した。
(お義母さまが言っていた一哉さんが買った御守りは彼女の為のものだったの? それとも一緒に行った?)
頭の中は疑問でいっぱいだ。今すぐ一哉を呼び止めて問い質したくなる。
しかし仕事の邪魔は出来ない。澄夏はこみ上げる衝動を堪えて、真咲と連れ立って出て行く一哉を苦しい気持ちで見送った。