エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
そもそも今どこにいるのだろう。庁舎で仕事をしているにしては、電話の向こうはシンとしており、他に人がいる気配がない。

《いえ、今眠っているんです。かなり疲れているから起こすのは可哀そうなので》

「寝てる?」

(仮眠を取っているということ?)

いや、違う。一哉はいつも庁舎で仮眠するより帰宅して短時間でも落ち着いて寝たいと言っているのだから。

「あの、仕事中ですよね? 一体なにを……」

《なにをって、眠っているところだと申し上げましたよね? 須和さんはとても疲れている様子なので起こしたくありません》

「……疲れて寝てしまったのなら起こして帰宅するように言って下さい」

動揺しているせいか、きつい口調になっていた。

《昼間もお伝えしましたが、私と須和さんはプライベートでも付き合いがあります。その付き合いを奥様に邪魔されたくはありませんし、指図も受けません》

「……あの、今どこにいるんですか?」

「安全な場所です。彼のことは心配いりません。私がついていますので》

真咲はそう言ったきり口を閉ざしてしまった。
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