エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
これから離婚しようと考えている夫とこんなことをするなんて、自分でもどうかと思う。

(でも一哉さんを拒否するなんて出来ない)

今の彼は強く澄夏を求めていると感じる。その激しさに恐れもあるけれど、それ以上に好きなのだ。

(一哉さんがこんな風に求めてくれるのは初めて)

なぜ急に変化が起きたのかは分からない。それでも今、夫は自分だけを見つめ求めている。

澄夏は一哉の首に腕を回して彼の大きな体を引き寄せた。澄夏を潰さないようにしてくれているのか、重すぎることはなく、触れ合う温かさが心地よかった。

一哉は切なそうに目を細めて、澄夏の頬を撫でる。そのまま口づけられた。

寝室に熱気がこもっていくようだった。

キスが深く激しいものになり、彼の手が素肌を余すところなく這う頃には、澄夏はここがどこかわからなくなるような陶酔感に襲われた。

今夜の彼の愛撫は執拗で徹底的だ。

澄夏は夫の動きひとつに敏感に反応した。快感で零れる声の合間になにか口走っているような気がするけれど、もうよく分からない。

「澄夏……」

耳元で一哉がなにか囁いた。
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