エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
その後、週に二度程夫婦生活があったけれど、一哉は変わらず澄夏を気遣ってくれていた。

けれど澄夏は今、彼の知らない一面を見せつけられているような気になっている。

一哉の力の強さを思い知らされるような息も出来ないような抱擁。深いキスは澄夏がびくりと体を震わせても終わらない。

何度も角度を変えて繰り返し、気付けば一哉のベッドに仰向けに押し倒される体勢になっていた。

一哉の舌が澄夏のそれに絡んでくる。すると背筋にぞくぞくとした感覚が這い上がり、澄夏は声にならない声をあげるしかない。

どれくらいそうしていたのか、思考があやふやになった頃ようやく解放された。

苦しさと快さで視界が涙で滲んでいる。そんな澄夏を労わるように一哉は今度はとても優しいキスで澄夏の涙を拭う。

「あ……一哉さん……」

彼の眼差しは熱っぽく、澄夏を捕らえたまま離さない。

「澄夏……このまま抱きたい」

なにかに耐えるように掠れている声が発する、ストレートな言葉。

いつもキスから自然な流れでリードして貰っていたのに。今夜はなにもかもが違う。

(一哉さん、どうしたの?)

澄夏は戸惑ったものの、小さく頷いた。
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