エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
義父に呼ばれていると言っていたから忙しいのだろうが、漠然とした不安が一哉の胸に広がった。

(やっぱり様子がおかしいよな)

しかし、本当に朝帰りを不満に思っているだけなのだろうか。

思い当たる原因はそれだけだが、怒るにしても態度が彼女らしくない気がするのだ。

明日会えば分かるだろうが、心配だ。

冷めてしまった焼肉弁当を食べ終えてから部屋の清掃を始めた。キッチンとリビングと水回り。普段澄夏がやっているようにピカピカとまではいかないが、問題無い程度に整える。

その後寝室で明日からの帰省の用意に取り掛かった。

(改まった席は無いだろうし、服は適当でいいよな)

動きやすい服を詰めていたそのとき、一哉はふと違和感を覚えた。

クローゼットは壁一面に設えられており、左半分を一哉が、右側を澄夏が使っている。

しかし彼女のスペースがやけにガランとして見えたのだ。

彼女は無駄遣いをするタイプではないが、物持ちが良いらしく服もバッグもそれなりの数を持っていた。

嫌な予感に苛まれながら彼女のスペースに移動して、よく確認してみた一哉はすぐに顔をしかめた。
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