エリート官僚は政略妻に淫らな純愛を隠せない~離婚予定でしたが、今日から夫婦をはじめます~
「あの……一哉さんが相手だからという抵抗感はありません。逆に尊敬している一哉さんの相手が私でいいのか心配しています」

「そんな心配は……」

ないと言おうとしたが、それより先に澄香が口を開いた。

「ただ私、今までお付き合いしたことがないんです。だから結婚は考えたこともないし、それに今もとても緊張していて」

「え……誰とも?」

澄香のような綺麗で穏やかな人柄の女性が、ずっと恋人なしだなんてあるのか?

「はい、この年で恥ずかしいのですが、そういう機会がなくて」

岩倉代議士のガードが固かったのだろうか。どちらにしても一哉にとっては喜びしかない。

「恥ずかしいなんて思う必要はないから。ただ機会に恵まれなかっただけだ。澄香さんは魅力的な女性なんだから自信を持って」

気持ちの高まりが現れているように一哉の声は弾んでいた。澄香は「ありがとうございます」と照れたように呟く。

そんな姿も可愛いと思う。再会して少し話しただけなのに、一哉は彼女に好意を抱いていた。

「近い内に会わないか? もっと会話をしてお互いを知ろう」

「……本当に私でいいんですか?」

「もちろん。出来れば前向きに考えて欲しい」
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