エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす
どうしたらいいのか悩んでいると彰仁さんが隣に並び、私の背中にさりげなく腕を回した。
「大通りにタクシーを待たせてあります。さあ行きましょう」
私の返事も聞かずに話を進められて戸惑ったものの、誘いを断ったら彰仁さんが困ると思うと逆らえない。
ここは龍臣さんと彰仁さんの厚意に甘えようと決めると、エスコートに従って大通りに面した歩道を進み、路肩に駐車しているタクシーの後部座席に乗り込む。そして彰仁さんが運転手に行き先を伝えると、タクシーが静かに発進した。
大通りの街路樹がシャンパンゴールド色に輝く光景はため息が出るほど美しい。しかし今は、クリスマスイルミネーションよりも気になることがある。
「龍臣さんからトラブルがあったって聞きましたけど、大丈夫なんですか」
車に詳しくない私が話を聞いたところで、内容を理解するのは難しいだろう。それでも龍臣さんがどんな状況に置かれているのか、少しでも知りたい気持ちを抑えられない。
「エンジンデータの不備が指摘されて、大阪工場が立入検査を受けています。予定よりも長引いていますけど、じきに終わると思いますよ」
「そうですか」