エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす

アサヒナ自動車の専務である彰仁さんがそう言うのなら間違いなのだろうと、ホッと胸をなで下ろした。

「今日はお忙しいところ付き合っていただいてありがとうございます。お礼を言うのが遅くなってしまってすみません」

わざわざ職場まで迎えに来てくれたのに、お礼を伝えていないのを思い出して慌てて頭を下げる。

「いえ。実はこれから行くレストランですが、予約が取れない店として有名なんですよ。兄は何度か行っているみたいですけど、俺は初めてなので楽しみです」

彰仁さんが朗らかな笑みを浮かべる。

私より七つ年上の彰仁さんとふたりきりで話すのは初めてだけど、気さくな人柄を感じてすぐに緊張が解けた。

タクシーに揺られて一時間ほどで、目的地である横浜のレストランに着く。

「かわいらしい建物ですね」

「外国の貿易商が住んでいた家をレストランに改装したらしいですよ」

「へえ、そうなんですか」

白い外壁に緑の窓枠が特徴的な二階建ての洋館を見て、早くも心が躍り出す。

「行きましょうか」

「はい」
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