エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす
話上手な彰仁さんと、フランス料理のフルコースに舌鼓を打つひとときは思いのほか楽しく、時間があっという間に過ぎる。
「ごちそうさまでした」
「いえ。俺は代金を立て替えただけなので、お礼は兄に言ってください」
「はい。そうします」
スマートに支払いを済ませた彰仁さんと小さく笑い合っていると、どこからともなくスマホのバイブ音が耳に届く。
もしかしたら、龍臣さんかもしれない。
期待を胸にバッグからスマホを急いで取り出す。しかし、着信もメッセージも届いていない。
今頃、龍臣さんはどうしているのだろうと、気を揉んで顔を上げると彰仁さんと目が合った。
「手配したタクシーが、レストランの前に到着したようです。これから場所を変えて飲みましょう」
彰仁さんがスーツのポケットにスマホをしまう。