エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす
「年が明けたら結婚の準備で忙しくなりますね」
「はい」
彰仁さんの言う通り、来年の一月から披露宴の打ち合わせが本格的に始まる。
結婚の準備が整っていくのはうれしいはずなのに、気分が晴れないのはあることが気になっているから。
龍臣さんと連絡が取れないなか、ひとりで悩んでいても埒が明かない。ここは彰仁さんに頼ってみるのもいいかもしれないと思い立つ。
「あの……。男の人が女の人を守りたいと思うのは、普通なのでしょうか?」
思い切って男性の心理について尋ねると、ジントニックに口をつけていた彰仁さんの動きが止まる。
「健気でいじらしい女性を見ると、守ってあげたくなりますね」
「そういうものですか」
「ええ、まあ」
彰仁さんが戸惑いを見せたのはほんの一瞬で、すぐに平静を取り戻して笑みを浮かべる。
「庇護欲が強くなってしまうのは、美桜さんがかわいくて仕方ないからだと思いますよ」
「えっ?」
「兄の話ですよね?」
名前を出さなくてもおかしな質問をすれば、それは龍臣さんのことだとわかってしまうのは当然だ。
「はい」
龍臣さんがストーカーから彼女を守れなかったと、今も心を痛めているのを知っていながら『私は理恵さんの代わりですか?』と、無神経なことを口走って彼を傷つけてしまうなんて浅はかだったと肩を落とした。