エリート御曹司は独占欲の募るまま、お見合い令嬢を愛で落とす
「それは妬けるな」
嫉妬をはらんだ低い声が聞こえると同時に耳たぶを甘噛みされる。不意打ちの刺激に驚いて肩をすくめても、彼の動きは止まらない。
やわらかくて温かい唇と舌が首筋をすべっていく。甘いスキンシップに堪えられずに身をよじらせたとき、左の鎖骨付近にチクリとした痛みが走った。
「な……に?」
「美桜は俺だけのものだという印をつけた」
初めての感触に戸惑いながら鈍い痛みを感じた箇所に手をあてると、龍臣さんが口角を上げてニヤリと笑う。その満足げな表情を見て、彼がなにをしたのかようやく理解した。
今の時期は寒さが厳しいし、もともと胸もとが広く開いた服は着ないけれど、なにかの拍子でキスマークを人に見られたらと思うと気が気でない。
「もう!」
体を向かい合わせて、悪戯をした龍臣さんをたしなめるように胸もとを軽く叩く。すると、彼の顔にバスタブのお湯がピシャリと跳ねた。
「こらこら」
濡れた顔を手で拭った龍臣さんと笑い合い、どちらからともなく唇を寄せてついばむようなキスを繰り返す。