クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
「え? あ、ちょっ……」
穏和な顔立ちに似合わず、強引に俺の腕を取り、グイグイと背中を押してくる。
俺はほとんどつんのめるようにリビングに入り、その奥にある、メゾネットの二階に上がる階段を見遣った。
純平の家に来るのは、初めてじゃない。
客室が二階にあるのは知っている。
歩さんは「一番奥です」とだけ言って、再び廊下を戻っていった。
風呂に入った純平の着替えを準備するのだろう。
俺はリビングのドア口で一人、途方に暮れた。
「参ったな……」
苦い思いで独り言ちながら、ガシガシと頭を掻く。
――凛花は寝ていても可愛すぎて、俺はつい手を出したくなる。
しかし、ここまで上がり込んで回れ右するのも、いかがなものか。
俺は彼女が起きていることを願い、意を決して室内に進んだ。
階段を上り、教えられた通り、一番奥の部屋まで進む。
ドアの前で両足を揃えて立ち止まり、深呼吸をして……。
「……凛花。俺だ。……起きてるか?」
コツコツと、意識してゆっくりノックする。
すぐに反応はなく、眠っているのだろうと思った。
無言でかぶりを振って、廊下を引き返そうとした時。
「奎吾さん……?」
静かにドアが開く音がして、遠慮がちな声が続いた。
足を止め振り返ると、細く開いたドアの隙間から、パジャマ姿の凛花が顔を覗かせていた。
穏和な顔立ちに似合わず、強引に俺の腕を取り、グイグイと背中を押してくる。
俺はほとんどつんのめるようにリビングに入り、その奥にある、メゾネットの二階に上がる階段を見遣った。
純平の家に来るのは、初めてじゃない。
客室が二階にあるのは知っている。
歩さんは「一番奥です」とだけ言って、再び廊下を戻っていった。
風呂に入った純平の着替えを準備するのだろう。
俺はリビングのドア口で一人、途方に暮れた。
「参ったな……」
苦い思いで独り言ちながら、ガシガシと頭を掻く。
――凛花は寝ていても可愛すぎて、俺はつい手を出したくなる。
しかし、ここまで上がり込んで回れ右するのも、いかがなものか。
俺は彼女が起きていることを願い、意を決して室内に進んだ。
階段を上り、教えられた通り、一番奥の部屋まで進む。
ドアの前で両足を揃えて立ち止まり、深呼吸をして……。
「……凛花。俺だ。……起きてるか?」
コツコツと、意識してゆっくりノックする。
すぐに反応はなく、眠っているのだろうと思った。
無言でかぶりを振って、廊下を引き返そうとした時。
「奎吾さん……?」
静かにドアが開く音がして、遠慮がちな声が続いた。
足を止め振り返ると、細く開いたドアの隙間から、パジャマ姿の凛花が顔を覗かせていた。