クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
俺はプライベートのスマホのモニターに『凛花』と表示されているのを見て、ハッと息をのみ……。


「凛花」

「国枝だ」


俺が応答する横で、国枝部長も電話に応じていた。


『奎吾さん? お仕事中にすみません』

『え、国枝部長!?』


左耳に凛花、右耳で部下の素っ頓狂な声を捉える。
部長の相手は、時任捜索を命じた四班の班員の声だった。


「瀬名もここにいる。状況は?」


国枝部長は俺にも聞こえるようにハンズフリーにして、部下に先を促している。


「ああ、構わない。どうした? なにかあったか?」


俺は部長の方の会話も気にしながら、早口で彼女に返した。


『あの……実は、和人君からこれから来るってメールがあって』

『東京駅南口で、マル被発見。ニンドウかけますか』


両方の耳に、切羽詰まった声が届く。
俺は、ピクッと眉尻を上げた。
東京駅――九段にある凛花の職場とは、まだ少々距離がある。


「……これから? なんと言ってきたんだ?」

『参考になるかもしれないものを見つけたから、私に一緒に確認してほしいって。でも、なにかは書いてなくて』

「わかった。凛花、事務所には誰かいるか? お前一人じゃないな?」
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