クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
俺は凛花に訊ねながら、国枝部長に首を横に振って見せた。
「泳がせて、尾けろ」
部長が俺の意図を汲んで部下に命じるのに頷き、彼女の声に耳を澄ます。
『はい。パラリーガルの菜々子さんが。でも、もうすぐお客様が来ることになっていて』
「女性だけということか……」
俺は独り言ちて、グッと顔を上げた。
「凛花、俺がすぐにそちらに向かう」
『え? 奎吾さんが、わざわざ?』
俺が目配せをすると、国枝部長はスマホを持ったまま執務机に戻っていく。
机上から固定電話の受話器を取り上げ、ワンプッシュで電話をかけた。
「指令室、こちら国枝」
警察無線で凛花の事務所一帯に緊急配備を敷くよう、命じるのを横目に、
「だが、間に合わないかもしれない。今、事務所の周りに配置している部下を、先に踏み込ませる。中に入れてくれ」
左手首の腕時計で時間を確認しながら、言い聞かせる。
『……? 奎吾さ……』
「凛花、よく聞け」
困惑に揺れる声を遮り、俺は厳しく顔を歪め――。
「この事件でお前の名を騙ったのは、時任和人だ」
電話越しに、凛花が息をのむ気配がはっきりと伝わってきた。
「泳がせて、尾けろ」
部長が俺の意図を汲んで部下に命じるのに頷き、彼女の声に耳を澄ます。
『はい。パラリーガルの菜々子さんが。でも、もうすぐお客様が来ることになっていて』
「女性だけということか……」
俺は独り言ちて、グッと顔を上げた。
「凛花、俺がすぐにそちらに向かう」
『え? 奎吾さんが、わざわざ?』
俺が目配せをすると、国枝部長はスマホを持ったまま執務机に戻っていく。
机上から固定電話の受話器を取り上げ、ワンプッシュで電話をかけた。
「指令室、こちら国枝」
警察無線で凛花の事務所一帯に緊急配備を敷くよう、命じるのを横目に、
「だが、間に合わないかもしれない。今、事務所の周りに配置している部下を、先に踏み込ませる。中に入れてくれ」
左手首の腕時計で時間を確認しながら、言い聞かせる。
『……? 奎吾さ……』
「凛花、よく聞け」
困惑に揺れる声を遮り、俺は厳しく顔を歪め――。
「この事件でお前の名を騙ったのは、時任和人だ」
電話越しに、凛花が息をのむ気配がはっきりと伝わってきた。