クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
***
奎吾さんとの電話を切って二十分ほどして、和人君が事務所にやってきた。
彼とは、六郎叔父様の事務所を辞めて以来だ。
だけど、久しぶりの再会を喜んでいられるほど、私に心の余裕はない。
和人君の方も落ち着かずソワソワしているから、私は挨拶もそこそこに事務室に案内した。
「ごめんね。今応接室は来客で使っていて。こんなところで申し訳ないんだけど」
自分のデスクの横に、椅子を引いてきて並べた。
「座って、和人君。お茶淹れてくるね」
彼に椅子を勧めてから、無意識に髪を耳にかけようとして、ピタリと手を止める。
今私は、右耳にワイヤレスイヤホンをしている。
奎吾さんの電話の後すぐにやってきた刑事さんに渡されたものだ。
奎吾さんから、和人君が私の名を騙った容疑者だと聞かされて、驚きしかなかった。
でも、冷静に考えてみると、彼ならなにもかも可能だったと認めざるを得ない。
和人君と会うのが怖い――。
だけど刑事さんは、彼を帰さず話を聞いてほしいと言った。
事務室と続き戸で繋がっている書庫に二人。
出入口に近い給湯室に女性刑事さんが一人。
所長室に一人、所長と一緒にいる。
所長は刑事さんから話を聞いて、ランチ会合をキャンセルして、事務所に残ってくれた。
奎吾さんとの電話を切って二十分ほどして、和人君が事務所にやってきた。
彼とは、六郎叔父様の事務所を辞めて以来だ。
だけど、久しぶりの再会を喜んでいられるほど、私に心の余裕はない。
和人君の方も落ち着かずソワソワしているから、私は挨拶もそこそこに事務室に案内した。
「ごめんね。今応接室は来客で使っていて。こんなところで申し訳ないんだけど」
自分のデスクの横に、椅子を引いてきて並べた。
「座って、和人君。お茶淹れてくるね」
彼に椅子を勧めてから、無意識に髪を耳にかけようとして、ピタリと手を止める。
今私は、右耳にワイヤレスイヤホンをしている。
奎吾さんの電話の後すぐにやってきた刑事さんに渡されたものだ。
奎吾さんから、和人君が私の名を騙った容疑者だと聞かされて、驚きしかなかった。
でも、冷静に考えてみると、彼ならなにもかも可能だったと認めざるを得ない。
和人君と会うのが怖い――。
だけど刑事さんは、彼を帰さず話を聞いてほしいと言った。
事務室と続き戸で繋がっている書庫に二人。
出入口に近い給湯室に女性刑事さんが一人。
所長室に一人、所長と一緒にいる。
所長は刑事さんから話を聞いて、ランチ会合をキャンセルして、事務所に残ってくれた。