クールな警視正は新妻を盲愛しすぎている
『なにかブツブツ言ってますね……マホ? ああ、スマホ?』


和人君の様子を探って、一番近い書庫にいる刑事さんがドアを開けて、こっそり目視確認しているようだ。


「スマホ? 私の?」


イヤホンから聞こえた声に導かれ、私は困惑気味に独り言ちる。
奎吾さんに電話した後、スマホはデスクの引き出しにしまっておいた。
和人君も、バッグの次に探すのはそこと考えたのか、やや乱暴にデスクの引き出しを開けた。


「刑事さん、もう……」

「待ってください」


見かねた様子で声をあげた所長を、刑事さんが鋭く遮った。


「見つけたようですよ、お目当てのもの」


その言葉通り、和人君は私のスマホを手にして立ち上がっていた。
大きく肩が動く様は、見つけて安堵したようにも見える。
私のスマホをデニムのポケットに捻じ込むと、デスクの引き出しとバッグの中身を元通りに戻した。
どうやら、私のスマホを持って立ち去ろうとしているらしい。


「瀬名さん、私と一緒に事務室に戻りましょう。私のことは所長と呼んでください」


刑事さんに指示され、二人で急ぎ足で事務室に戻ると、ちょうど廊下に出てきた彼と鉢合わせした。


「っ、凛花ちゃん」


私を見て足を竦ませる彼を、刑事さんが一歩出て先を阻む。
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