秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
普通に考えて、貴族令嬢がドタバタと走り回ることはない。少なくとも男性を前にして、こんなふうに足の速さや腕力をひけらかすことはしないだろう。
「ええ、私は一年中大きな鞄を持って市井を駆けて回っているわ。残念だけれど、私はあなたが想像するような深窓の令嬢じゃないの。伯爵令嬢とは名ばかりのこんな私を専属女官にしたら、いろいろと大変よ」
だから、私を専属女官にするのはやめておいた方がいい……私はさらに、こう続けようとしたのだが。
「望むところだ。これからは俺の専属となり、場所を市井から王宮に変え、存分に駆け回ってくれ。ちなみに、俺は君以上に足が速いし、力も強い。だから、この荷物はやはり俺が持つ」
予想外の切り返しに、ポカンとして足が止まった。そんな私の様子を見て、アズフィール様はちょっとシニカルにフッと微笑み、前に向き直るとスタスタと行ってしまう。
「ええ、私は一年中大きな鞄を持って市井を駆けて回っているわ。残念だけれど、私はあなたが想像するような深窓の令嬢じゃないの。伯爵令嬢とは名ばかりのこんな私を専属女官にしたら、いろいろと大変よ」
だから、私を専属女官にするのはやめておいた方がいい……私はさらに、こう続けようとしたのだが。
「望むところだ。これからは俺の専属となり、場所を市井から王宮に変え、存分に駆け回ってくれ。ちなみに、俺は君以上に足が速いし、力も強い。だから、この荷物はやはり俺が持つ」
予想外の切り返しに、ポカンとして足が止まった。そんな私の様子を見て、アズフィール様はちょっとシニカルにフッと微笑み、前に向き直るとスタスタと行ってしまう。