秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
 アズフィール様は私の平穏無事な生活を脅かすリスクであり、脅威だ。専属女官になっても、必要以上に深入りしないつもりでいた。彼の興が冷めて解放される日まで、求められる最低限の役目を機械的に熟していこうと割り切ってやって来たはずだった。
 それなのに、彼のことがこんなに気になってしまうのはどうしてなのか……。
「とりあえず、アズフィール様も『ゆっくり過ごして』と言ってくれたことだし、ちょっと眠って頭を休めよう」
 ……うん。こういう時は、寝ちゃうに限る。
 眠ることは心と体を健やかに保つための万能薬。疲れた心身に、鍼灸にだって負けない治癒回復をもたらしてくれる。
 私はさっそく、驚くくらいやわらかで滑らかな感触のシーツにポフンと体を沈め、瞼を閉じた。
 そうすれば、いつも通り眠りはすぐに訪れた。ところが、束の間の夢に現れたのは、なぜかアズフィール様だった。
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