秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「いや、なんでもない。ところで、君は今日の午後はどんな予定になっている?」
「えぇっと、お昼は実家に行ってお祖母ちゃんに美容鍼をして……。その後は、二時から馴染みの女将さんに鍼の施術を頼まれているわ。たぶん四時くらいまでかかると思う」
 どうして急にこんなことを聞いてくるのかしら。いつも日中は自由にさせてもらっていたから、首をかしげながら答えた。
「その後は?」
「その後は、王宮に帰って……あ、いえ。今日は、ちょっと寄りたいところがあるんだったわ」
 注文していた鍼が、そろそろ出来上がっているはずだ。受け取りはいつでもいいのだけれど、新しい規格で注文した鍼を早く見たかった。
「ほう。今日の公務は騎士団の視察が最後で、俺も四時前には体が空く。ちょうど、街の空気を吸いたいと思っていたところだった。その用事は、俺が同行しても構わないか?」
< 116 / 340 >

この作品をシェア

pagetop