秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
父の経営力や集客力に難があったのは薄々気づいていたが、詐欺まがいの営業の口車にまんまと乗せられて、借金で治療院に高額な遠赤外線ドームサウナや岩盤浴ベッドといった最新機器を揃えていたのには開いた口が塞がらない。最新機器の導入で一発逆転でも狙ったのか、はたまた私と共に治療院を盛り立てていこうという父なりの決意の現れだったのか。とにかく、私が専門学校入学後のガイダンスやアルバイト探しで慌ただしくしているうちに、独断で何百万もの買い物をしていようなど予想外である。
もとより親の遺産などあてにする気はなかったが、借金返済によるマイナスからのスタートは、まだ学生だった私の心身にひどく堪えた。
そして、これもまた日頃から父と多く会話を持ち、気持ちのすり合わせをしていたら防げていたかもしれないと思うと悔やまれた。つくづく後悔と怒りは尽きなかった。
「メイサ、どうかしたのか?」
祖父に心配そうに声をかけられて、私は重い気分を振り払うように緩く首を回した。
もとより親の遺産などあてにする気はなかったが、借金返済によるマイナスからのスタートは、まだ学生だった私の心身にひどく堪えた。
そして、これもまた日頃から父と多く会話を持ち、気持ちのすり合わせをしていたら防げていたかもしれないと思うと悔やまれた。つくづく後悔と怒りは尽きなかった。
「メイサ、どうかしたのか?」
祖父に心配そうに声をかけられて、私は重い気分を振り払うように緩く首を回した。