秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「だが、遅れたペナルティは受けてもらわねばならんな」
「えぇっ!?」
 感動し、アズフィール様を見直しかけていたところに投下された爆弾発言に、ビクンと肩を跳ねさせる。
「ダンスタイムになったら俺と踊ってもらうぞ」
「私、碌すっぽ踊れません……」
 唖然としつつ、引きつる唇で答える。
「なに、君は俺に身を委ねてくれているだけでいい。……こんなに美しい花が壁際を彩っているだけなど、それこそ罪だ」
 台詞の後半で、アズフィール様は私の耳もとに顔を寄せた。そうして大きな手をスッと伸ばしたかと思ったら、私の前肩にゆるくかかる髪をひと房取り上げてそっと唇を寄せた。
 っ! 神経が通らないはずの髪なのに、アズフィール様の触れた部分がなぜかとても熱かった。額も頬も、逆上せたみたいに熱を持って火照っていた。
 真っ赤になって立ち尽くす私に、アズフィール様はさらに言葉を続ける。
「ハーフアップがとても似合っている。ドレスも君の白い肌によく映えている。今日の君は、女神のように美しい」
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