秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
なんにせよ、俺は狸のように狡猾な大臣も、見た目ばかりゴテゴテと飾り立てた奴の娘のカミラも御免だ。カミラは図々しい性格で、なにを勘違いしているのか、自分を俺の妃候補の最有力とでも思っているらしい。なにかにつけて俺に擦り寄って来ては、猫なで声をあげながら不躾に腕や肩にしな垂れかかってくる。以前、真っ赤に塗った長い爪をした指先で首筋のあたりに触れられた時は、普段女との接触で発症する呼吸苦や動悸、鳥肌にとどまらない圧倒的な苦痛が俺を襲った。俺は反射的に飛び退いて、腰の剣を抜いていた。なけなしの理性でなんとか最後の一線を踏みとどまったが、一歩間違えば本気で切り殺してしまっていた。
いきなり剣を向けられて目を丸くしていたカミラには『君の背後に不穏な気配を感じて体が動いてしまった。迷い猫かなにかの気配を勘違いしたようだ』と告げた。カミラは自分を危険から守ろうとしてくれたのかと感動し、舞い上がって喜んでいた。あの時だけは、カミラの愚鈍さに救われた。
いきなり剣を向けられて目を丸くしていたカミラには『君の背後に不穏な気配を感じて体が動いてしまった。迷い猫かなにかの気配を勘違いしたようだ』と告げた。カミラは自分を危険から守ろうとしてくれたのかと感動し、舞い上がって喜んでいた。あの時だけは、カミラの愚鈍さに救われた。