秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
不思議そうな祖父に答えながら、〝合谷〟から徐々に肩の方に上がっていって肘の外側にある〝曲池(きょくち)〟、肩回りにあるふたつのツボ〝肩井(けんせい)〟〝天宗(てんそう)〟にも台座を置いていく。
「ほう」
合計四カ所の台座の上に丸めたもぐさをのせ、小さな炎石に柄をつけて自作した道具で、先端に火をつける。
今でこそ、すっかり当たり前の物として生活に馴染んでいるが、この炎石というのは本当に便利。真っ赤な色をしたコロンとまあるい石は、発火させる意思を伝えるだけでポッと火が出る。「なんで火が出るの!?」と幼少期から複数の大人たちに尋ねてきだが、「炎石だから」と皆口を揃えるだけ。私は両手の指の数ほどの大人たちに尋ねた頃、「世界が違えば、原理も違う」と、ひとり静かに納得した。
ちなみに、この世界には炎石の他にも冷石という不思議な石があり、そちらも普段使いされている。そちらの効果も、もちろん文字通りだ。
「……あぁ。ジワーッと染み込んでくるようだ。灸というのはすごいなぁ」
「ほう」
合計四カ所の台座の上に丸めたもぐさをのせ、小さな炎石に柄をつけて自作した道具で、先端に火をつける。
今でこそ、すっかり当たり前の物として生活に馴染んでいるが、この炎石というのは本当に便利。真っ赤な色をしたコロンとまあるい石は、発火させる意思を伝えるだけでポッと火が出る。「なんで火が出るの!?」と幼少期から複数の大人たちに尋ねてきだが、「炎石だから」と皆口を揃えるだけ。私は両手の指の数ほどの大人たちに尋ねた頃、「世界が違えば、原理も違う」と、ひとり静かに納得した。
ちなみに、この世界には炎石の他にも冷石という不思議な石があり、そちらも普段使いされている。そちらの効果も、もちろん文字通りだ。
「……あぁ。ジワーッと染み込んでくるようだ。灸というのはすごいなぁ」