秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
もぐさの燃焼が進み、温もりが伝わってきたようで、祖父はホゥッと息を漏らしながらつぶやいた。
「ふふっ。よかった」
「最初に肌の上でヨモギを燃やすと聞かされた時は、孫娘の正気を疑ったものだよ。それがまさか、こんなに極楽だとは。その上、灸が終わった後は凝りや張りがすっかり楽になっているんだ。いやいや、メイサの灸は本当に見事だよ」
祖父は感嘆した様子で語る。
「気に入ってもらえてなによりだわ。ちなみに、燃やしているのはもぐさね。ヨモギでも間違いじゃないけど、厳密にはヨモギの葉っぱから採取した綿毛の部分を焚いてるのよ」
この世界に鍼灸治療の概念がないのだから、当然、鍼灸の道具も存在しない。なので、台座や先ほどの火付けの道具、お灸の肝であるもぐさまですべて自作していた。
お灸というのは形状や手法など、治療院によってまちまち。数え切れないほどの種類がある。だけど〝もぐさを燃焼させる〟という基本の部分は皆同じだ。
「ふふっ。よかった」
「最初に肌の上でヨモギを燃やすと聞かされた時は、孫娘の正気を疑ったものだよ。それがまさか、こんなに極楽だとは。その上、灸が終わった後は凝りや張りがすっかり楽になっているんだ。いやいや、メイサの灸は本当に見事だよ」
祖父は感嘆した様子で語る。
「気に入ってもらえてなによりだわ。ちなみに、燃やしているのはもぐさね。ヨモギでも間違いじゃないけど、厳密にはヨモギの葉っぱから採取した綿毛の部分を焚いてるのよ」
この世界に鍼灸治療の概念がないのだから、当然、鍼灸の道具も存在しない。なので、台座や先ほどの火付けの道具、お灸の肝であるもぐさまですべて自作していた。
お灸というのは形状や手法など、治療院によってまちまち。数え切れないほどの種類がある。だけど〝もぐさを燃焼させる〟という基本の部分は皆同じだ。