秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
俺は反射的にメイサの手を取って、両手で包み込むようにして口を開いた。
メイサの手は細いのに、ふわりと柔らかで温かい。触れた部分から、カミラに触られて染み付いた穢れが落ちていくような不思議な心地がした。
「俺は嫌だ」
「え?」
「もちろん、君の母上の覚悟を持った強い愛を否定しない。だが俺は、やはり愛する人とは最期まで添い遂げたい。愛した記憶だけでは、俺は残る人生を生きてゆけそうにない」
気づけば、心の内をそのまま声にしていた。
メイサはパチパチを目を瞬いて俺を見つめていた。
「……驚いたわ。正直、アズフィール様はもっとクールな人なのかと思っていた」
「暑苦しい男だと、幻滅したか?」
「いいえ。血の通った熱い心を持ったあなたが治めるエイル神聖王国の未来は、きっと素晴らしいものになる。治世者というのは時に非情な決断が必要なのかもしれないけれど、いち国民としてはやっぱり、熱い血の通った王様が治める国がいいわ」
にこやかにメイサが告げた。
「……治世者として、か」
メイサの手は細いのに、ふわりと柔らかで温かい。触れた部分から、カミラに触られて染み付いた穢れが落ちていくような不思議な心地がした。
「俺は嫌だ」
「え?」
「もちろん、君の母上の覚悟を持った強い愛を否定しない。だが俺は、やはり愛する人とは最期まで添い遂げたい。愛した記憶だけでは、俺は残る人生を生きてゆけそうにない」
気づけば、心の内をそのまま声にしていた。
メイサはパチパチを目を瞬いて俺を見つめていた。
「……驚いたわ。正直、アズフィール様はもっとクールな人なのかと思っていた」
「暑苦しい男だと、幻滅したか?」
「いいえ。血の通った熱い心を持ったあなたが治めるエイル神聖王国の未来は、きっと素晴らしいものになる。治世者というのは時に非情な決断が必要なのかもしれないけれど、いち国民としてはやっぱり、熱い血の通った王様が治める国がいいわ」
にこやかにメイサが告げた。
「……治世者として、か」