秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
 そもそもアズフィール様に親密な女性がいたからって、私にはまったく関係のない話。頭ではわかっているのに、なんでか心が追いつかなかった。
 ……アズフィール様のことが、こんなに気になってしまうのはどうしてなのか?
 よくわからないもやもやとした感情が渦巻いて、この日はなかなか寝付くことができなかった。

 翌日の晩。
 私は指示通り普段より一時間早く、アズフィール様の部屋を訪ねていた。
 ──コン、コン。
「入ってくれ」
 ノックすると、すぐに中から返事があった。
 ゴクリとひとつ喉を鳴らし、扉に手をかける。
「失礼します」
 扉を開くと、手前の応接テーブルにアズフィール様が座っていた。その隣には、金髪の男性が……。
「えっ!? ……男の人っ!?」
 思わず声にしてしまい、ハッと気づいて咄嗟に頭を下げて謝罪を告げる。
「すみません、失礼しました!」
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