秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
……えぇえっ? アズフィール様が私に紹介したい人って、男性だったの!? 『紹介したい人』なんて思わせぶりな表現に加えて、『美容鍼に興味を持ちそう』だなんて言うから、てっきり女性だとばかり思っていたが……なんだ、男性だったんだ!
この時、私の胸には驚きと、それを上回る安堵が広がっていた。
カツカツと靴音が迫り、私のすぐ手前で止まる。
「なるほど、とても可愛らしい女性だ」
私が顔を上げるのと、声をかけられたのは同時だった。
「え?」
目に飛び込んできたのは、アズフィール様の隣にいた青年の満面の笑みだった。ただし、その笑顔のあまりの近さに驚いて、反射的に少し仰け反る。
「おい、ヴァーデン! 距離が近い!」
アズフィール様がやって来て、青年の襟首を掴んで私から引き離す。アズフィール様にピシャリと言われた青年は、黒みがかった茶色の瞳を悪戯っぽく細め、ヒョイと肩をそびやかして見せた。
「おやおや、これは失礼。最近少し視力が悪くてね」
この時、私の胸には驚きと、それを上回る安堵が広がっていた。
カツカツと靴音が迫り、私のすぐ手前で止まる。
「なるほど、とても可愛らしい女性だ」
私が顔を上げるのと、声をかけられたのは同時だった。
「え?」
目に飛び込んできたのは、アズフィール様の隣にいた青年の満面の笑みだった。ただし、その笑顔のあまりの近さに驚いて、反射的に少し仰け反る。
「おい、ヴァーデン! 距離が近い!」
アズフィール様がやって来て、青年の襟首を掴んで私から引き離す。アズフィール様にピシャリと言われた青年は、黒みがかった茶色の瞳を悪戯っぽく細め、ヒョイと肩をそびやかして見せた。
「おやおや、これは失礼。最近少し視力が悪くてね」