秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
 ……うぅーん、アズフィール様とは長く一緒にいて、慣れてしまったからかしら?
 私は内心で首をかしげていた。
「おいおいアズフィール、人を節操なしのように言わないでくれ」
「事実だろうが」
「いいや。私にもちゃんと好みというものがある。美しい花にしか食指は動かん。もちろん、メイサ嬢ほど美しい花ならば……アダッ!」
 ヴァーデン王子の言葉の途中、アズフィール様がペチンと金色の後頭部を叩いた。
 私は思わず目を丸くした。
「なにをする!? いきなり人の頭を叩くやつがあるか!」
「フン。ハエが止まっていたのを払ってやったんだ」
「馬鹿を言え。この部屋にハエなど飛んでいない!」
 ふたりのやり取りを見ていたら、自然と頬が緩み、思わず笑い声が漏れてしまう。
 私の笑い声を聞き付けて、ふたりの視線が集まる。
「ふふふっ、ごめんなさい。でも、ふたりともすごく仲がいいんですもの。つい、羨ましくなっちゃって」
「ふん。ただの腐れ縁だ」
「それはこっちの台詞です」
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