秘密の癒しチートがバレたら、女嫌い王太子の専属女官(※その実態はお妃候補)に任命されました!
「ひと言でいえば慣例だな。エイル神殿の主殿内には涸れることのない秘泉が湧いているんだが、それを汲んできて立太子の礼の中で神官長に振りかけてもらう。ちなみに、ひとりで行くのも長年のならわしで、なんでも供の帯同は不名誉にあたるそうだ」
「あー! たしかその秘泉、『治癒の女神エイルの祝福』って言われてるやつだろう? 大陸の歴史として学んだが、私はてっきり架空の伝説だと思っていたぞ。なんだ、本当に今も涸れずに湧いているのか?」
「……ああ、女神の祝福は決して潰えないのさ」
アズフィール様はうつ伏せのまま僅かに首を巡らせて、チラリと私を見ながら告げる。その瞳と台詞に底知れぬ熱を感じ、ドクンと脈が跳ねた。
「え、ええっと。それじゃあ、さっそく始めていくわね」
動揺を隠すように、あえて声高に告げる。
「頼む」
「あー! たしかその秘泉、『治癒の女神エイルの祝福』って言われてるやつだろう? 大陸の歴史として学んだが、私はてっきり架空の伝説だと思っていたぞ。なんだ、本当に今も涸れずに湧いているのか?」
「……ああ、女神の祝福は決して潰えないのさ」
アズフィール様はうつ伏せのまま僅かに首を巡らせて、チラリと私を見ながら告げる。その瞳と台詞に底知れぬ熱を感じ、ドクンと脈が跳ねた。
「え、ええっと。それじゃあ、さっそく始めていくわね」
動揺を隠すように、あえて声高に告げる。
「頼む」